久しぶりに奈良県と三重県の県境にある高見山にバイクツーリングしてきました。目的はただ一つ、「バイクで雪中走行すること」であります。十数年前、よく冬山にタイヤチェーンを巻いてバイクで繰り出しておりました。が、子育てが3人分連続しており、通勤時の雪が積もる日のバイク走行(年に1回、有るか無いか)を楽しみにする日々が続いておりました。しかし今年はどうやら奈良市内は積雪が無さそうな雰囲気です。たまたまリフレッシュ休暇の一日であり、またとない機会ですので、思い切って本日高見山に繰り出しました。もちろん冬ですので装備は念入りに。普通の服装の上からホッカイロを腹に貼付けます。そしてレインコートの上下、バイクウェアの上下を着込み、首にはネックウォーマー。バイクにはグリップヒーターがあるのでこれで寒さはほぼゼロとなります。
いざ出発。
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いつも通勤で走っている天理を経由し、大宇陀へと進みます。最近はマイカーで国道169号線を走ることはよくありますが、それと並行して走る細い道をバイクで走ります。自動車だとちとすれ違いが辛い道ですが、バイクでは苦もなく進めます。走るにつれ、”バイクの自由に満ちあふれた喜び”が湧き出てきます。
大宇陀から国道166号線を東向きに三重県方面へ進みます。途中、菟田野町あたりから道路脇の日が当たりにくい箇所に白いものが散見されてきます。そうです。雪です。高見山が見えるあたりまで進むと、気温もぐっと下がってきます。高見山へ続く道(高見峠への分岐点)からは完全に路面が雪道になっています。
ノーマルタイヤでは確実に走行不能なので、この分岐点の入り口にてタイヤチェーンを装着です。これまでは駆動輪である後輪にのみチェーンを巻いておりましたが、今回は念入りに前輪にも巻いてみました。雪道走行は久しぶり(通勤時での1年前の積雪以来)ですので、とても慎重に恐る恐る進みます。時速は10kmくらいの超スローペースです。
路面はほとんどが圧雪路となっており、ブーツでもツルツル状態。やや緊張しつつ進んで行くとトンネルが見えます。その中には1mくらいの巨大ツララが天井から垂れ下がっており、あれが落ちてくるとヤバい、といった感じでスリル満点であります。途中、登山で歩いて上る人や降りてくる人に挨拶しつつ、次第に高度を上げて行きます。20分くらい走行したでしょうか、そろそろ疲れてきたな、と思い始めた頃、突然、通行止めの看板が現れます。山頂にまでは行けません。
というわけでここら辺が潮時と思い、元来た道をひきかえしました。
しかしここからが曲者であります。帰りは下り道ばかり。しかもやや疲れが溜まってきています。さらに”慣れ”という要素も加わり、実は運転にとっては非常に危ない状態となります。案の定、氷結した滝の前の道にさしかかった時、いきなりバイクが横向きに。路面をよく見ると、そこは圧雪路ではなく、「完全な氷」でありました。どうやら滝の水が長い時間をかけて轍を流れ、それがそのまま氷と変貌したような感じでした。
セローお得意の二輪二足走行で氷結路から圧雪路へと脱出し、無事元の雪の無い国道へと復帰いたしました。
いやぁ、スリル満点でありました。これで当方のリフレッシュ休暇のビッグイベントは完了いたしました。